「足をつる」とは何か
誰もが経験する「足をつる」という状態
さて、運動中、就寝中、動き始めの際に起こり、おそらく1度は経験したことがあると思います。
そうです。
足をつってしまうことです
この選手もおそらくふくらはぎがつってしまい、伸ばしている状況だと想定できます。
部位としてはふくらはぎが多いですが、太ももの裏、内太ももをつるというお話も耳にします。
状況により原因が変わってくるのですが、今回は運動中について書いていきます。
まず足をつっている状態とは、
「一時的に1つ、もしくは複数の筋肉が強制的に縮んでしまう状態」
をいいます。
簡単に言うと、筋肉に全力で力をいれている状態です。
これを1つ、もしくは複数の筋肉が無意識の状態で全力でやっています。
足をつる原因とその対策
私たちは意識して筋肉をコントロールしながら動かしています。
もちろん、仕事中、運動中は無意識の時もありますが、その時は脊髄がコントロールして筋肉を動かしているので、日常生活ではあまりつることはないと思います。
それを無意識の状態で全力で力を入れているのですから、脳は痛みとして認識してしまいますので、つっている間は痛みが続きます
足をつってしまう原因ですが、、、
- オーバーユース(筋疲労)
- 脱水症状
- 急な動きだし
病気を除くとこの3つに分けられると思います。
オーバーユース(筋疲労)
オーバーユースとは「使いすぎ」ということで、図1の通り、
使いすぎることで筋肉が疲労し硬くなる
↓
更に筋肉を使ってしまう
↓
結果的につりやすくなる
となってしまうことでケガにつながる恐れがあります。
脱水症状
一言で脱水症状と言っても、単純に水分が不足しているわけではありません。
重要なのは血液中のミネラルという成分です。
ミネラルとは、糖質、脂質、蛋白質、ビタミンと並び五大栄養素の1つで、体を作っていく上で必要な成分で筋肉の動きや筋肉そのものの質にも関わってきます。
図2がミネラルの成分になります。
特に重要なのがカルシウムとマグネシウムの補給を行うことです。
カルシウムが骨を作るのに重要なのはご存知だと思いますが、筋肉をスムーズに動かすことにも使われています。
マグネシウムも同様に筋肉の動きに関わってきます。マグネシウムが不足すると筋肉がスムーズに動かない、震えや筋肉の痙攣が起こる可能性があります。
その発生機序として、
水分不足
↓
血液中の水分(ミネラル)が不足
↓
筋肉が栄養不足
↓
筋肉が硬くなる
↓
つりやすくなる、筋痙攣が起こる
という可能性が高くなります。
急な動き出し
これは、すでに筋肉が疲労・損傷されていて筋肉がスムーズに動かずにつってしまうケースがあります。
激しい運動を繰り返していてると、
必ず筋肉は疲労・損傷する
↓
スムーズに動かなくなる
↓
筋肉の限界を超える
↓
筋肉が縮んでしまい、緩むことができない
という状況から足をつった状態になります。
以上、3つの原因を書きました。
最後に対策です。何回も書いていますし、テレビ等でご存知の方が多いと思います。
入念なウォーミングアップ
ウォーミングアップの際にストレッチしていると思いますが、ストレッチには動的なストレッチと静的なストレッチがあります。
ウォーミングアップは、これから体に運動するぞ!!という指令を脳に送る役割もありますので、軽く動いて心拍数を上げ、筋肉を少しほぐしてから動的なストレッチを行うと効果があります。
こまめな水分補給
この水分補給は水ではいけません!!必ずミネラルが含まれているスポーツドリンクや麦茶を飲んでください!水を飲んでしまうと血液の成分が薄くなる、血液中の水の濃度が上がってしまい、トイレが近くなるなど、逆効果になることがあります。
必ずミネラルを含まれているスポーツドリンク、または麦茶を飲んでください!
公共の施設の関係で水しか飲めない場合は、その場所から離れた際に必ずスポーツドリンクや麦茶を飲んでください!
対処したい気持ちはわかりますが、施設のルールは厳守してください!
段階を踏んで動く
これは長時間同じ姿勢でいるときです。同じ姿勢でいると筋肉が硬くなり、つりやすくなっています。
必ず1回でも予備動作をしてから動いてください!
筋肉が緩んで動けるようになっても、すぐに同じように動くと再発する可能性があります。
再発防止のためにも、軽く動いて体の感触を確かめてください。
つった時には伸ばす?
ここまで読んでくださった方はお気づきになったかもしれないですが、、、
つる≠伸ばす
「え!?つったら伸ばすんじゃないの!?」
と思った方もいるかもしれません。
一言に足をつると言っても、様々な原因が考えられます。
今回のブロブは運動中に限ってですが、冷え、内科的な病気、外科的な病気が原因でつることもあります。
ましてや肉離れなどで筋肉が損傷している場合に伸ばすと逆効果になり、症状が悪化することがあります。
これまではつったら伸ばす!と言われてきましたが、まずは本当につっているだけなのか、何が原因なのかを考えてから処置をしてください!
当院には糖尿病など、内科的な病気が原因で足がつってしまう方、腰椎椎間板ヘルニアなと、外科的な病気が原因で足がつってしまう方も来院されています。
また、病気はないが足が頻繁につってしまう方も治療をすれば改善する傾向にあります。
よく足がつってしまう方、どこに行っても改善しない方は是非当院までご連絡ください!
その他、ご不明な点がございましたら、お気軽にご連絡ください!